集客やブランディングのためにSNSを活用されている工務店・ハウスメーカーは多いと思います。
ここでは、不動産×SNS×VRを題材に、現地集客を目的とした効果的な発信方法について説明します。
目次
・SNSについて
・アピールすべきは本当に「住宅」?
・インスタライブの有効性
・VRを「参考」から「楽しみ」へ(VRイベント)←後日説明します
SNSについて
一口にSNSと言っても、それぞれ特色があります。利用者層や投稿できる内容によってどのSNSを利用するかを選定すべきですが、結論から言うと住宅販売に関してはInstagramが最適だと言えます。
その理由は、Instagramに以下の特色が有るからです。
・主な利用者層が20代~40代女性
・投稿システムの仕様が写真中心
ここで重要なのは、「魅力的な写真やVRで、女性の心を掴むことが大切」という事です。
ある夫婦が住宅に関して土地探しから情報収集すると仮定します。すると、
①奥さんが「理想の生活」をイメージしながら、コンセプトがに合う工務店、ハウスメーカーを探す(口コミやSNS)
↓
②奥さんがリストアップした会社をもとに、夫婦でネット検索をかけ、候補を絞る
↓
③実際に建売住宅やモデルハウスを見に行く(建売住宅の場合、こっそり現地確認する事も)
↓
④気に入った会社と打合せを始める
↓
⑤男性が主体となって予算や住宅性能、土地の利便性などを詰める
といった傾向が強くなっています。
ここで重要なのは、①と②で目を引き、信頼を得るためにSNSを活用すべきという事。
そのためSNSの段階では「パッと見ただけで理想の生活を実現できる会社だと伝わる」投稿にこだわるべきなのです。
工務店などのアカウントの多くは住宅の性能や会社のこだわりについて投稿していますが、これは会社訪問後に必要になる情報です。
SNSを見ている女性が求めている情報ではありません。
「見て。この会社良くない?」
奥さんから旦那さんに、この一言をどう引き出すか。
この一点を最優先に考えていきましょう。
住宅の良さをすべて紹介するのではなく、「映画の予告編」を作るイメージを大切にしてください。
では具体的にどういった内容の投稿をすべきかについて説明します。
アピールすべきは本当に「住宅」?
前述したように、大切なのは「弊社は理想の生活を実現できるパートナーである」と伝えること。
「モノよりコト」という言葉がありますが、ここでは「モノ」が住宅、「コト」が「理想の生活」であると言えます。
では「コト」について伝えるために必要なものは何でしょうか。
大まかに二つが挙げられます。
①女性の求める将来像に寄り添った写真、キャッチコピーを発信する
②会社ではなく、「人」の良質さを発信する
まずは①「女性の求める将来像に寄り添った写真、キャッチコピーを発信する」について
ここからは、具体的な写真の撮り方などについて説明します。
写真の選定に関するキーワードは、「コンセプト」「女性のニーズ」の2点です。
一つの物件の中で、各部屋ごとにキーワードを意識しながら情報を公開していきましょう。
まずはコンセプトですが、会社ごとのこだわりや方針と、「広さ」「立地」「収納」といった物件ごとのコンセプトを指します。
ここに、女性のニーズを意識した構図を加えた写真を意識します。
例えば、下の画像のように「木のぬくもり」や「カントリー調」の物件を販売しようとした場合について説明します。
物件も写真も素敵ですが、ここから「女性のニーズ」を意識して構図を考えます。
例えば「子供を視界に入れながら料理したい」「今は賃貸で狭く、子育てが大変」といった声を考慮してInstagram用に正方形写真を作成すると
といった写真になります。
こういった写真をできるだけ多くの部屋で撮影し、小出しにしていきます。
内容も大切ですが、実は最も大切なのは更新頻度。
そのため、同じような写真でも「広さ」「子育て」「収納」といった多角からキャッチコピーを考え、定期的に投稿することが大切です。
②会社ではなく「人」の良質さを発信する、について
先ほど、物件そのものをPRするのではなく、そこでの生活をイメージさせることが重要だと説明いたしました。
写真やキャッチコピーで興味を持ってもらったら、次は「人」のPRです。
ここで言う「人」とは、実際に接客にあたるスタッフのことを指します。
「子育てをしているから、親の目線で家探しを手伝える」「車が大好きで、ガレージ付物件なら誰よりも相談に乗れる」など、それぞれの趣味や特性をPRすることで問合せしやすい状況を作ります。
大切なのは能力よりも人柄を全面に押し出すべきです。
全国の工務店やハウスメーカーのスタッフには勤続年数30年の人も、販売棟数100棟の人も大勢います。
しかし、趣味嗜好が似ていて、こだわりに親身になってくれる人はなかなか見つかりません。
そして、そういった個人のノビノビとした一面を押し出すことで会社の印象もよくなります。
物件に関する投稿の間に、スタッフさんの紹介投稿を挿入するとより効果が期待できます。
インスタライブの有効性
近年、モデルハウスからインスタライブを開催される会社が多くあります。
インスタライブ自体は効果的な手法ですが、内容には注意が必要です。
配信を見る時点で会社に興味がある人ですが、そこから問合せや来店に結び付けるにはさらに安心感を与えることが必要です。
また家づくりを検討している世代は、動画配信サービスを日常的に利用している世代です。
そのため配信にも慣れており、堅苦しい内容や長い動画は見ない傾向が強いです。
「短く」「人柄をPR」できる配信を中心にすべきでしょう。
以下に基本的な考え方をまとめます。
配信時間帯
20:00~22:00
配信の長さ
5分から10分
配信頻度
週1回~月1回
「この工務店気になる。配信見てみようかな」という温度感の時に、セミナーのような雰囲気だと、すぐに見るのを止めてしまいます。
例えば、営業担当と設計担当の対談形式で、過去の施主からの要望に対してどう対応したか、などを図を見せながら話し合う形でも問題ありません。
重要なのは、会社として何を発信したいかより、「どうやったら失敗しない家づくりができるか」に寄り添うことです。